サザンオールスターズ 茅ヶ崎2013年9月1日

 行って参りました。サザンオールスターズのコンサート、サザンの地元茅ヶ崎公園野球場まで(僕が行ったのは9月1日)。
 前回の日記に書いたように、僕は以前茅ヶ崎に住んでいたので(JR線路をはさんで反対側でしたが)会場付近の道はなんとなく記憶にあり、混雑を避けて大回りルートで海岸まで出たんですが、どの道を通ってもファンらしい人が歩いているという感じ。サザン通りも賑やかで、お祭りムード十分という感じで会場入りしました。心配された天気も(奇跡的に)2日程ともピーカン、5年前の日産スタジアムは雨でしたが、今回はまさに「夏の野外コンサート」という感じ。しかもあまり暑くもならず、風が吹くと少し涼しいくらいの、ちょうどいい気温でした。僕達夫婦の席はアリーナFブロック。アリーナのなかでは最後尾にあたる場所でしたが、会場自体があまり大きくないのでさほど「遠い」という感じのない席でした。それにこのコンサートのチケットは争奪戦でしたので、この場にいられるだけで幸せでした。
 定刻を少し過ぎたところで、このバンドらしいちょっと外した感が微笑ましいオープニングMCに乗り、せり上がりでメンバーが登場した時点で会場はもう大騒ぎ。待望の活動再開、しかも茅ヶ崎会場なのでお客さんも気合が入ってます。
 1曲めは5年前の日産スタジアムで最後のナンバーだった「Ya Ya(〜あの時代(とき)を忘れない〜)」。申し分のない、そして感動的なスタート。以下セットリストは省略しますがバランスのいい選曲でした。5年前のキャリア総括的なものでこそありませんでしたが、やはり通常の選曲ではなく「ベストヒットとファン納得の名曲群」という趣で、このツアーが特別なものであることがよくわかるものでした(「私の世紀末カルテ」とかはやっぱりなかったです)。個人的に嬉しかったのは「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」「愛する女性(ひと)とのすれ違い」「ラチエン通りのシスター」「神の島遥か国」。特に「タバコ・ロード」は個人的モストフェイバリットなので大感激。「愛の言霊」や「ミス・ブランニュー・デイ」「マチルダBABY」は演出もド派手で、これぞサザンという弾けぶりでした。
 毎回いろいろ趣向のある「和み」コーナー(?)、「あまちゃん」パロディやアンコールでのミュージカル(笑)などありましたが、傑作だったのが「預けた屋号を返還する儀式」。ここで詳細は書かないでおきましょう。あんなに感動的だった「サザンの屋号はいったんお預けします。きっとまた返してもらいに帰ってきます」というあの言葉(ファンは誰一人忘れていないでしょう)を使って、あれほどしょうもないネタをやってしまうとは、さすがサザンです(褒めてます念のため)。
 ところでこの日の会場では、全員にLED付きのリストバンドが配布されました。開演前に「演出で使用する」旨のアナウンスがあったんですが、それが初めて点灯したのが新曲「蛍」。曲が始まると同時に会場全体が緑の光で埋め尽くされました。本当に無数の蛍が乱舞しているかのような光景。夏は日本にとって、平和を考え、魂を迎える季節です。鎮魂がテーマのこのバラードでのこの光の群れは、最高の演出である以上に、僕達の気持ちを灯しているような感じがしました。
 リストバンドはコンサート後半大活躍で、曲に合わせて色は変わるは点滅するわ、文字どおり会場がひとつになったようでしたよ(あのコールドプレイのコンサートのような感じ)。
 コンサート終盤はいつものとおりの盛り上がり大会。突然ブルースが始まったと思ったらなんとAKB48の曲を演りはじめ(ビジョンのテロップでは「フライングゲット・ブルース」)、続く「HOTEL PACIFIC」のダンサーさんたちはみんなAKBの衣装(で、パンツ丸出し)だし、「マンピーのG★スポット」は思いっきり18禁の演出だし(ここじゃ書けないようなものもありましたぜ。僕のヒアリングと記憶が正しければ、「マンピー」の「ピー」を「コ」に変えて歌った箇所までありましたw)、終盤登場したストリングスは全員「あまちゃん」のコスプレだし、メッセージソング「ピースとハイライト」ではビジョンで我が国および近隣諸国や某大国の首脳が踊っているし。明確なメッセージや主張とエロ丸出し演出(ほのめかしなんかじゃなく、モロですよ)を同時にやってしまい、両方を納得させてしまう、サザン(桑田さん)のとてつもない実力を今回もまざまざと見せつけられました。通常のコンサートでは最後に演奏する「勝手にシンドバッド」を序盤(3曲めでした)に持ってきても全然問題なしの分厚いレパートリーも含めて、本当にすごいものでした。オープニングMCにあった「The most outstanding band in Japan」の呼称に偽りなしです。
 コンサートは思い入れたっぷりの「いとしのエリー」と「希望の轍」でクローズ。海岸からたくさんの花火が上がり、3時間半に及んだ、まさに「祝祭」はお開きとなりました。
 心配していた雨もなく、自分が見た範囲では行き帰りの道すがら大騒ぎする人もおらず、気持よく、そして感動的な「茅ヶ崎詣で」になりました。個人的にはこの夏いろいろ忙しく大変だった妻が本当に楽しそうにしていたのがなによりの収穫です。かつて住んでいた茅ヶ崎はやっぱり素敵な場所でした。素晴らしい夏になりました。サザンのみなさん、会場で一緒になったみなさん、そして茅ヶ崎のみなさん、本当にありがとうございました。お天気の神様と電車乗り継ぎの神様もありがとうございました(笑)。
 おかえりなさい、サザンオールスターズ

タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」はこのアルバムに入っています。個人的にサザンのアルバムで一番好き。生まれて初めてサザンのライヴを観たとき、このアルバムが最新作でした。
 追記:帰り道、沿道のお家の2階ベランダから歩いている人達に向かって「お疲れ様でしたー!また来てくださいね−!」という声が聞こえました。事前にはいろいろ不安な情報があったんですが(一つ前のエントリ参照してください)、ああいう声をかけていただけてホッとしています。約束どおり公道上では静かに行動し、ゴミも出しませんでしたよ。ここでもう一度、茅ヶ崎のみなさんありがとうございました!