アナログ盤の「香り」

 昨日(4月26日)放送のFM横浜「Travelin’ Light」は「レコード万歳!」というテーマで、番組中に流れるすべての曲がアナログ盤での再生でした。これがとてもよかったです。アナログ独特の「輪郭の柔らかい」音が土曜の昼の空気のなかで心地よく流れていきました。パーソナリティの畠山美由紀さんも楽しそうでした。選曲もビートルズとかスティーヴ・ミラー・バンドとかカーラ・ボノフとかキャロル・キングとかアメリカとか、えらいこと僕の琴線に触れるものが多くって、ハイレゾとかリマスターとかいろいろあっても、結局自分のルーツは(世代的に)アナログなんだなあと実感してしまいました(笑)。
 ところで番組のなかで「アナログ盤の匂い」という話題がありました。アナログ盤には独特の「匂い」があるというもので、畠山美由紀さんも「スタッフさんからも言われたけれど、レコードの匂いというものがあって、これも魅力のひとつですね」とお話しされていました。これはアナログを所有している人、とりわけ輸入盤を持っている人は実感を持って理解できることでしょうね。「匂い」というよりも「香り」といったほうがいいかも。多くはどこか「甘い」とでも形容できるような「香り」で、僕も好きで、白状するようですが、昔むかしは買ってきた輸入盤に鼻を近づけたりもしていましたよ(笑)。
 僕が「アナログの香り」でパッと思い出すのは2枚。中学生のとき級友から借りたピンク・フロイドの「The Dark Side Of The Moon」もちろん輸入盤。これは上記の「甘い香り」が強烈で、本当に部屋に満ちていくとさえ感じたものです。まだレコードを買うようになって2年足らず、こういうものに慣れていなかったせいかも知れませんが、今だに忘れられない「初体験」でした。ちなみにこの輸入盤、レーベルのイラストがあのプリズムのデザインで、その後自分で買った国内盤のごく普通のレーベルマークに比べて綺麗だったことも良く憶えています。
 もうひとつ忘れられないものはあの「サスペリア」のサントラ盤。このブログでもずっと以前に(主にはその内容について)話題にしましたが(こちらです)、これは香りではなくまさしく「匂い」というもの。内容にマッチして不気味な、形容しがたい「目に来る」ような刺激臭。まさか嗅覚版サブリミナルか(笑)?とにかく印象的でした。こちらはまだ我が家のどこかにあるはずですが、わざわざ探そうって思わないや、怖いし(笑)。
 ちょうど1年ほど前にアナログプレーヤーを復活させてから、ちょこちょこと手を出しているアナログ盤。国内盤も輸入盤もありますが、古いものほど「香り」がします。なんともいえないその「香り」は、音質やジャケットデザインとは違う意味で、僕にとって「アナログの魅力」のひとつです。ちょっと共感得られないかも知れませんが(笑)。

Going Back Home

Going Back Home

 もうCDで持っているこのアルバムですが、アナログもぜひ入手したいです。なにしろ内容は素晴らしいしジャケットは素晴らしいし。きっと素晴らしい香りがするに違いありません(笑)。