ラトルズのライヴとニール・イネスのイベントに参加してきました

 雨とラトルズ!
 僕の6月第一週は本当に、この2つが象徴していました。雨は関東の大雨のことですが(僕は南関東在住なので大変でした)、時期がほぼ重なるラトルズは本当に幸せな数日間でした。待望の来日公演、僕は全2回の公演と土曜日に開催されたニール・イネスのファンミーティングに参加してきました。
 現在のラトルズはロン・ナスティ役だったニールとバリー・ウォム役だったジョン・ハルシー、そしてキーボードにミッキー・シモンズ、ベースがマーク・グリフィス、ギターがケン・ソーントンという構成。すっかり恰幅がよくなり御髪が(中略)なニールを中心に、「ラトルズ往年の名曲群」を演奏してくれました。
 アレンジはほぼオリジナルどおりで、非常にしっかりとした演奏でした。元が架空のパロディバンドなのでライヴと言われてもイメージがしにくかったんですが、実に正攻法のバンド演奏でした。スポットライトはニールとジョンに当たることが多かったですが(比喩です、ピンスポは特にありませんでした)他のメンバーも演奏で存在感を示すという感じ。特に感心したのがキーボードのミッキー、様々なアレンジのラトルズナンバーを多彩な音色とテクニックで支えていて、この人が事実上のバンマスかしら?と思ってしまいましたビールを飲みながら余裕たっぷりに高度な演奏をする姿はカッコよかったです。
 レパートリーは2枚のアルバムから満遍なく演奏したという感じで、意外にも「Archaeology」からの曲が多く、そして演奏もよかったのが印象的でした。「ツアーをやるにはスポンサー様が必要でね」と言いながら、そのスポンサーだという(たぶんイギリスの)スーパーマーケットのCMソングを歌ったり、ジョンがドラムソロ中に席を離れて床やアンプを叩き始める「ハナ肇プレー」を披露したり、最前列の女性に名前を尋ね、「君に捧げるよ」と歌詞に名前を挿入して「With A Girl Like You」を演奏したりと、随所に笑いを散りばめながらも、音楽と演奏はしっかりとしたものでした(ちなみにこのとき「ご指名」を受けた女性は友人でしたw)。必要以上にパロディであることを強調しないのにロックのエンターテイメントとしてちゃんと成立しているのは、ラトルズの音楽が真にオリジナルなものだということの証明で…、なんて無粋でしたねスミマセン。本当に楽しいライヴでした。ちなみに新宿では二組のオープニングアクトが出演したんですが、そのうちのひとつは僕の知り合いがいるバンド(マウントバッテンズ)だったので、その意味でも僕は楽しめました(ただし、二組も出たので全部終わったら11時前、新宿から遠いところに住んでいる僕は雨のなかダッシュで帰ったんですが、しっかり午前様でした)。
 土曜日のニール・イネスのイベントはミニライヴとサイン会。シンプルにギター、ウクレレ、キーボードを弾きながら歌う姿はとても素晴らしかった(この日はラトルズのナンバーはなし)。途中からはジョンも参加して、サイン会も2人並んでやってくれました。話しかけても写真を撮影しても嫌な顔ひとつせず応じてくれる2人に集まったファンも嬉しそうでした。ちなみに僕はラトルズのファースト・アルバム(日本盤帯付き)にサインをいただきました。
 途中からはミッキーとケンも会場に来てくれて、こちらも気軽にサインや撮影に応じてくれて(特にケンはニールとジョンとファンのみんなの記念撮影係(?)までやってくれていました。ミッキーはとても美しい奥様とイケメンの息子さん同伴でした)、本当に暖かいムード。そんな感じなのでいつまでも終わらないサイン会でしたが、みんな満足そうでした(笑)。
 最初に書いたようにこの数日の関東は大雨で大変でした。新宿もそうでしたが土曜日も東京方面には大雨警報が出るほどの荒天、外出は正直辛いものでした。それでもラトルズは素晴らしく、行って良かったと心から思える体験でした。

 追記:ライヴは両日とも、終盤に1曲だけカヴァーが演奏されました。「ラトルズのオリジナルプログラムに出演してくれたジョージ・ハリスンに」というMCとともに「All Things Must Pass」を。ニールの弾くウクレレも軽やかに、それでいて思いの伝わるような暖かな演奏。すべては移りゆく、でも移ろいながらも再び交わることも、再会を果たすこともある。ラトルズと僕達のように。ニールの、ラトルズの思いが込められた感動的な演奏だったと思います。