サマーソニック2014感想(8月16日編)

 行って参りました、サマーソニック2014。
 一昨年は会場にいたのは短時間だったし昨年は都合がつかずソニックマニアのみの参加でした。それが今回は現地宿泊でのフル参加、結果から申しますと本当に楽しかったです。以下、思いだせるまま記します。
 初日の会場入りは午前8時半前くらい。すでに入場待ちの列ができていましたがリストバンド交換はスムーズ。最初にやったのはサイン会の受付。アイテム買って列に並んで受付をして…、終わったのが10時半過ぎ。無事に整理券をゲット。
最初のアクトはマウンテンでのThe Bot。2人だけのバンドでしたがとにかくライドでアナーキー。非常にラフな印象で朝一番には気持ちいい音でした。
 そのあとマリンへ移動し、一昨年は見損なってしまったヴィンテージ・トラブル。まだ早い時間帯だったのでアリーナのかなり前まで行っての鑑賞。これは最高にカッコよかった。あのクソ暑いマリンでメンバー全員三つ揃え(ベースとドラムの人はジャケット脱いでいましたが)、佇まいも音楽もはっきりクラシックでおシャレ、そしてパワフル。スーツの色が変わるくらい汗ビッショリになりながらの熱演、終演後ボーカルの人はステージからではなくアリーナ中央を「花道」のように退場していました。CDで聴くものなんか比べ物にならないようなものすごさ。オーティス観たような気分になっちゃいました。
 続いては今回絶対観たかったスカイ・フェレイラ。バンドの演奏はちょっとおぼつかない感じでしたがスカイ本人は、若干不安定というかナーバスかなと思う瞬間がありながらも熱演していました。国内盤からはオミットされていた「あの曲」もやってくれました。スカイからはサインをいただけたんですが、そのとき間近で観た彼女はやっぱり少し神経質っぽい感じでした(終演後すぐだったからかな)がステージや音楽(そしてステージ上やCDジャケでの表情)とは少し違ってキュートな表情でした。サインをしてくれているとき「素晴らしいステージでした」と話しかけたら顔を上げて「サンキュー」とニッコリ、素敵な笑顔でした。
 その後ロバート・プラントに間に合うようにとマリンに向かったんですが、なんとビックリ、さっきまで炎天だったのが空が暗くなっていて、ポツリポツリと雨が…、マジ!?結局雨はそれから約1時間振り続け、マリンでSuperflyを観ている間に土砂降りに。アリーナの人たちがどんどん雨宿りで退場するのをいいことにずんずん前に進み、びしょ濡れになったのと引き換えにけっこう前に行かれました。ロバート・プラント出演の時刻には雨は降り止んでくれましたが、予想外の雨、やっぱり僕はサマソニのマリンにいると濡れる運命なんですね(笑)。
 ロバート・プラントは、予想外と言っては失礼ですがとてもよかったです。全体はアコースティックな色合いの演奏で、アフリカの楽器なども加わり、ペイジ・プラントのスタジオ録音に近いセンスも感じられました。ロバートのボーカルは落ち着いたもので、高音が朗々と響くというようなものではなかったですがしっかりと「力をもった」歌声でした。数曲やったゼップナンバーはほぼすべてアレンジが変わっていましたが、それも含めて「現役ミュージシャンであるロバート・プラント」というようなものでした。僕は大満足しました。ところで、ロバートの出演時はもう雨は止んでいましたが、「Rainbow」という曲を演奏する前のMCで「…ところで空を見てよ、日差しが戻ってきたよ」と彼方を指さし、そっちを見上げたら雲が切れて青空と陽光が戻ってきてくれたのが印象的でした。噂ではこのとき本当に虹が出ていたそうです(僕は気づかなかった)。いろんな意味で奇蹟のようなステージでした。
 そして大トリ、アークティック・モンキーズ。僕のまわりにはロバート・プラント目当てと思しき人たちが大勢いて、その人達がロバート終演後ごそっと退場したおかげで、生まれて初めて「スタジアム級の会場の最前列」で彼らを観ること出来ました。彼らのことはデビューから聴いていましたが(ライヴは初体験)、実に堂々としたパフォーマンスでした。ヴィンテージ・トラブルのような「形」でもスカイ・フェレイラのような「発展途上・可能性としての存在感」でもなく、これぞ現役の大スターロックバンドとてもいうような内容でした。新作「AM」中心のプログラムもよかったです。雨が降ったおかげでちょっと肌寒いくらいの陽気のせいで暑さ負けすることもなく、存分に楽しめました。アークティック・モンキーズ終演後はマリン上空に花火が上がり、ああ、夏フェスだなあという気分も盛り上がります。余談ですが彼らのオープニングで、会場に「Are You Lonesome Tonight」が流れました(イージー・リスニングっぽいものでしたが)。よく意味がわからなかったんですが、あとで8月16日がエルヴィスのご命日だと気づきました。そういう意味だったのかな?
 その後ホテルにチェックインし、ミッドナイトに出演するアンテマスクを観に。アット・ザ・ドライヴ・インもマース・ヴォルタも観る機会がないまま来て、もう観られないと諦めていたセドリックとオマーの2人が観られるなんて!と喜び、なんの予備知識もないまま体験したアンテマスクは、とんでもないものでした。音楽性はアット・ザ・ドライヴ・インに近いかな?とにかく性急でライド、変拍子もアドリブも満載で、とにかくぶっ飛んだものでした。朝からずっとウロウロしていて披露はピークだったんですが、いっぺんで目が醒めてしまいました。まさに覚醒(笑)。これだから音楽ファンはやめられない。
 というわけで、とりあえず初日はここまでです。2日目は次回に。