サザンオールスターズ 東京ドーム 2015.5.24

 一週間前のことですが、サザンオールスターズのコンサートに行って参りました。会場は東京ドーム。妻と僕にとっては2013年の茅ヶ崎以来久しぶりのサザンでした。
 内容を一言でいうと「サザン完全復帰」でした。僕が観た前回前々回はそれぞれ活動停止前後のもので、それぞれ一種の「大イベント」だったので、セットリストも演出もそのあたりをクローズアップしたものになっていました。それが、昨年末の年越しライヴからそのあたりのイベント色が薄まってきて(これは抽選に外れてテレビ鑑賞でした。大晦日の、例の勲章騒ぎがあったやつ)、そして今回、ほぼ完全に「サザンの通常ツアー」に戻ってきた、という感じです。
 オープニングは「TARAKO」、そして恒例の「ミス・ブランニュー・デイ」に続いて「ロックンロール・スーパーマン」。新作「葡萄」からの曲がかなりのウエイトを占めるなか、今回は80年代中盤から90年代あたりの渋目の曲がたくさん取り上げられていました。個人的に「死体置場でロマンスを」「顔」「Computer Children」など「KAMAKURA」からの曲が嬉しかったですが、「電子狂の詩」「ブリブリ・ボーダーライン」「おいしいね〜傑作物語」「よどみ萎え、枯れて舞え」など、どちらかといえばヘヴィなテイストの曲が選ばれていたのが印象的でした。
 上に書いたとおり、活動停止前後のコンサートはその性格上一種の「祝祭選曲」で名曲ヒット曲満載でした。本来のサザンのライヴ選曲はもっと暗い、というか桑田さんの心情吐露的ナンバーが多いものでしたが、それが(年越しライヴも含めて)復活してくれたのが、僕にとっては「サザン本格復帰」という感じで嬉しかったです。年末の騒ぎがなにか影響を及ぼすだろうかと思ってもいたんですが、そんなコッパな勝負はしていませんでしたね。「東京VICTORY」も「栄光の男」も「蛍」も効果的な順序と演出、「ピースとハイライト」はアンコールでの登場。まさに確信に満ちたものでした。いつものサポートメンバーも勢揃いの「チーム・サザン」の演奏も当然ですが見事のひとことでした。
 一昨年以来、ほぼ休憩なしで活動しているサザン。賞賛も批判もすべて正面から受け止め、徹底したエンターテイメントに昇華するその力は今回も健在でした。最後の挨拶で桑田さんが叫んだ「みんな、死ぬなよー!」という声。それは観客の僕達だけではなく、自分自身も含めた全員に語っているようでした。そう、みんなで生き延びましょう。そしてまたこの日のような楽しい夜を過ごせますように。最高でした。

 追記:ちょっとトリビア的なことを。どの曲だったか忘れてしまったんですが、イントロダクションにピンク・フロイドの「The Great Gig In The Sky」(虚空のスキャット)が演奏されました。ちゃんとした尺で。洋楽ファンとしては嬉しかったです。妻はポカンとしていましたが(笑)。
 追記2:腕時計型のLEDライト、今回も会場全体を光で埋め尽くし、素晴らしかったですが、終わったら回収でした。妻が昨年末に行った福山雅治のコンサートでも回収だったそう。一昨年の茅ヶ崎では持ち帰りオッケーだったんですが(今も持っています)、そっちのほうが大盤振る舞いだったんですね。
 追記3:今回のコンサート、我が家は親子3人で行きました。僕と妻、娘のドレミ(もうすぐ10歳)で。7年前の「大感謝祭」では会場まで一緒に行き、託児サービスに預かっていただいたドレミでしたが、今回晴れて観客として参加しました。ずっと「一度サザンのコンサート行ってみたい」と話していた娘は始まるまで大はしゃぎでしたが、終わってから「どうだった?」と訊きましたら「うるさかった。火とか出てびっくりしちゃった」とのこと(笑)。ドレミはあまり大きな音が好きではないのです。僕の娘なのに(笑)。でも「楽しかった」とも言っていたので、連れて行ってよかったかな。ちなみにこれがドレミにとって、生まれて初めてのロックコンサートになりました。僕のロックコンサートデビューは高校生でしたから、ずっと早いや(苦笑)。