おお、ジーザス!

 つい昨日、発見し、速攻で入手したもの。
 映画「ジーザス・クライスト・スーパースター」ブルーレイ(日本版)。
 アンドリュー・ロイド=ウェバー(とティム・ライス)の出世作であると同時に、いわゆる「ロックオペラ」(音楽意匠をロック・ミュージックで構築するミュージカル)の嚆矢でもある名作の映画化版。ノーマン・ジェイソン監督の1973年作品。 クライマックスでイスカリオテのユダが歌う(事実上の)主題歌「Superstar」のサビは、いろいろなテレビ番組のBGMに使われているので、知らずに聴いている人も多いでしょう、そういう作品。そのブルーレイ。
 大変有名で人気も高いこの作品ですが、なぜか今までほとんど映像ソフト化されていませんでした。本格普及前のVHS、LD以外は発売例がなく(しかも短期間で廃盤)、これまでずっとブルーレイはおろかDVDにさえなっていませんでした。リメイク版はあるのに、オリジナル映画版は永らく入手も視聴も困難という状態でした。権利関係がクリア出来ていないのかどうなのか、とにかくずっと発売されていませんでした。
 それが、なんとなく昨日、暇な時間帯にネットを検索していたら、見つかったのです! なんと昨年すでにソフト化されていたらしいのです。
 価格も安かったので(1,500円くらい)すぐ買っちゃいましたよ。で、観てみたら映像はクリアだし音もいいし、大満足。 ずっと諦めていたものが、こんなにあっけなく手に入り、しかもこんなに高画質高音質で、嬉しくてたまらないです。実は昨日入手して、まだ断片的にしか観られていないので、近いうちに時間を作ってじっくり観てみます。
 ところで、なぜ僕がこの映画にそんなに入れ込んでいるかというと、思い出もコミだから。
 今から36年前の夏、高1の夏休み(記憶が確かなら夏休み初日)。 僕はその日、名画座でこの映画を観て、その夜日生劇場劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター」を観たのです。 地元で遊ぶしかなかった中学時代が終わり、いきなり大きな扉が開けられたように様々なものに触れられるようになった高校時代、その最初のインパクトがこれでした。 なんにも知らない15歳の高1男子にとって、それはそれは刺激的でした。そして、それまでほとんど誰とも共有できなかった趣味や興味を、一緒に楽しんでくれる友人や恩師たちとの出会いも大きな出来事でした。
 実際、ミュージカル「ジーザス」は複数の友人たちと観に行ったんだけれど、そのなかには高校のサークルの顧問の先生や先輩方もいました。 そんな意味で、僕にとっては忘れられない思い出の映画、また観ることができて、本当に嬉しいです。
 写真に写っている2つのアナログ盤は左の緑色が「映画化前のオリジナルレコード」(劇場ミュージカルと映画はこのレコードにヒットをきっかけに作られたもの。ちなみにこのレコードでイエス・キリスト役をやっているのはあのイアン・ギラン)、右の黄土色が「劇団四季が1976年に録音した日本語版」(訳詞は岩谷時子さん、イエスの役は鹿賀丈史がやっています。ヘロデ王の役をあの市村正親が演じている。僕が観た舞台でも同じ役をやっていて、たった1曲のアリアなのにものすごい印象的な歌とダンス、今でも忘れられない。さすが後の大スターです)。 サントラのLPと(映画館で買った)プログラムも持っているけれど、今日は見つかりませんでした(笑)。ちなみに全部CDでも持っています。

 最後に余談。 この日名画座では「ジーザス」以外にもう1本併映作品があった。 それがかの「TOMMY」。作品名以外まったくなにも知らず、しかも「ジーザス」目当てに行ったのでまるで興味なしだった…のに、これにもまたとんでもないショックを受けてしまいました。 「TOMMY」の音楽を作ったのはザ・フー。 今日まで続く僕の「ザ・フーのファン」としての日々は、この日から始まったのです。 考えてみたら、この日はまさに僕にとってセカンドインパクトだったんですね(笑)。