犬の散歩をお願いね、ついでにゴミ出しも(笑)
今日は行き帰りともただ一人のアーチストを聴いていました。ローラ・ニーロ。
ローラの音楽は、今更僕がどうこういわなくても、その価値はご存じのとおりですね。
彼女のもっとも評価の高い時期は、「イーライ」の発表されたあたり、60年代後半から70年代前半ですね。今も全く新鮮さを失わないあの名作の数々。それに比べてもう一つの評価に甘んじている最近の作品ですが、今日はその、後半期の作品を主に聴いていました。「To A Child」「Broken Rainbow」「Woman of the World」「Louise's Church」etc、etc・・・。初期の彼女の歌は、その才気が迸るような迫力をもったものでしたが、後半期の彼女の歌は、そんな迫力こそ控えめになりましたが、決して才能や意欲が衰えたのではなく、むしろごくふつうに聞こえてしまうようなさりげない曲調の中に、若い頃には望むべくもなかった深い味わいがあります。
愛ってなに?
私はお前のそばにいるよ
お前はきっと
険しくとも自分の真実の道を見つけるわ
私も私の道を歩むでしょう
私もお前と一緒に成長していくんだから
(To A Child)
後半期の彼女の詩の世界は、「母的なもの」ともいえるものが大きく占めています。それは単に「私は母親、我が子が可愛いわ」というだけではなく、そこから出発して、世界をやさしく慈しむような母性だと感じます。ネイティブ・アメリカン、芸術の先人たち、動物の命・・・。題材は様々ですが、そのどれにも等しく愛情をもって接しています。そして、その行く末を見守っています。
この文ではわざと「後半期」と書きましたが、これが実は「晩年」と書かなければいけないことが残念でなりません。レイチェル・カーソンが言論でやったことを、歌でなし得たローラ。その音楽は、きっと永遠の命を持っているのでしょう。彼女の魂が安らかでありますように。